行政とハンバーガー 2019 9 14

 以下は、私が友人や知人から聞いた話をまとめたものですので、
必ずしも正しいとは限りませんので、
それを承知の上で読んでください。

 行政機関というと、
国、都道府県、市町村を連想するでしょうか。
 都道府県は、広域的な行政機関、
市町村は、基礎的な行政機関と言えるでしょう。
 こうした行政機関の役割は、
数十年という年数で見れば、大きく変わってきたのです。
 大きな流れでは、
行政権限が、「国→都道府県→市町村」へ移譲されてきたのです。
 たとえば、障害福祉行政で見てみましょう。
最初は、身体障害者福祉が市町村へ移譲され、
続いて、知的障害者福祉が市町村へ移譲され、
さらに、精神障害者福祉も、そういう流れでしょうか。
 しかし、市町村のほうは、大規模な市は別として、
相変わらず、福祉課のままでしょう。
 本来であれば、市町村は、福祉課を発展させて、
身体障害者福祉課を作り、
続いて、知的障害者福祉課を作り、
さらに、精神障害者福祉課を作るべきでした。
 一般市民は、「障害者福祉は似たようなもので、
福祉課がひとつあれば間に合う」と考えてしまうでしょうが、
これは素人の発想かもしれません。
 一般市民でも、想像力を働かせれば、
実に多くのことが思い浮かんできます。
 たとえば、身体障害者と言っても、
障害の特性は、まるで宇宙のように広大かもしれません。
 ヘレンケラーのような視覚障害、聴覚障害もあれば、
義足、車いすなど一般の人にもわかりやすい障害もあれば、
心臓ペースメーカーのように体の内部の障害もあるでしょう。
 だから、専門家が、新聞で、
身体障害者福祉で一人前になるには、
10年かかると書いたのを読んだことがあります。
 そうすると、知的障害者福祉と精神障害者福祉も併せて、
30年もかかることになります。
 しかし、30年もかかれば、
市町村職員は、定年になってしまうでしょう。
 にもかかわらず、中小の市町村は、
相変わらず「福祉課」のままで、
担当職員も5年以内には人事異動してしまうでしょう。
 やはり、「広く浅く」か。
トランプ大統領がハンバーガーが好きだと聞いたので、
私も、「モスバーガー」に行ってみました。
 確かに、すばらしいほど美味しかった。
にもかかわらず、厨房をのぞいてみると、
アルバイトの店員がハンバーガーを作っていました。
一流のシェフではなく、アルバイトの店員が作ってしました。
 障害福祉行政も、ハンバーガーのようなものか。
そこに危惧を感じるのは、私だけではないはずです。
 本来であれば、国、都道府県から行政権限を委譲されるたびに、
市町村は、福祉課を発展させて、
身体障害者福祉課、知的障害者福祉課、精神障害者福祉課を作っていくべきでした。
 確かに、大規模な市は、そうなりました。
しかし、中小の市町村は、そうなっていません。
そうすると、ハンバーガー方式なのか。
中小の市町村に住む住民は、悲しくもあり、差別感も感じるでしょう。
 さて、福祉という分野で話をしましたが、
市町村が地震などの天災を受けた時は、
想定外の連続となるので、ハンバーガー方式は通用しません。
ここで、大規模な市と中小の市町村では、大きな差が出てくるでしょう。
 大規模な市は、人的資源というマンパワーが豊富であり、
金銭という財政力も豊富でしょう。
 人間は、生まれる時は、裸ひとつでしょうが、
数十年も経てば、金持ちになる人もいれば、貧乏になる人もいます。
 行政サービスも、同じように、大きな差が出てしまうのは仕方ないでしょうか。
しかし、たまたま大規模な市に生まれただけであり、
たまたま中小の市町村に生まれただけで、大きな差が出てしまうのは悲しい。
 インドでは、いまだに「カースト制度」が残っていると聞いたことがあります。
日本では、「市町村カースト」でしょうか。
 こうした問題の解決策はないでしょうか。
中小の市町村の住民は、ひたすら苦境に耐え続けるのか。
それとも、「難民」となって大規模な市に流入するのか。
 今後、行政の複雑化・高度化についていけない市町村や
自然災害の大規模化に対応できない市町村が続出した時、
国、都道府県は、どうするのか。
 未曽有の大災害を目の前にして、
さらに行政の複雑化・高度化を目の当たりにして、
行政権限を「市町村→都道府県→国」へ戻していくべきでしょう。
もはや「国→都道府県→市町村」という文明実験は失敗に終わったのです。
























































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